以下の展覧会案内をいただきました。
オオサカがとんがっていた時代 大阪のアヴァンギャルド芸術――焼け跡から万博前夜まで――
企画概要
本展は、大阪が戦後の混乱から復興し、ヴァイタリティに富んでいた時代、すなわち1950年代から60年代、主に美術ではどのような実験的活動が試みられていたか、その実像の一端を明らかにしようとするものです。
関西では戦後、従来の形式に収まらない表現や視点を実現しようとした様々なグループが生まれました。中でも画家・吉原治良(1905〜1972年)をリーダーとして結成された具体美術協会(具体、1954〜1972年)は、吉原の指導のもと、メンバーが次々と前例のない作品を発表し、欧米の作家や批評家、収集家との積極的な交流を深めます。1962年9月には、大阪市北区宗是町33(現在の大阪市北区中之島3丁目)にあった吉原所有の土蔵を改装し、具体の作品を常設展示できる施設「グタイピナコテカ」を開設するに至りました。
本展では、パンリアル美術協会、デモクラート美術家協会、生活美術連盟など戦後の美術グループを概観しながら、大阪大学発祥の地・中之島にかつて存在した「グタイピナコテカ」での具体の活動に焦点を当てます。その他、デザイン、音楽、建築といった他の分野の動きも紹介し、1950〜60年代に大阪で繰り広げられた先進的な動向を改めて振り返ります。それは、大きく変貌する現代大阪の文化芸術の将来像を考えるうえでも有意義といえるでしょう。