大正イマジュリィ学会第29回研究会「민화(MINHWA)と大津絵――〈民画〉という思想」のお知らせ。

민화(MINHWA)と大津絵――〈民画〉という思想

「民画」という概念は、民芸運動の主導者であった柳宗悦(1889-1961)の造語です。初出は1927年6月刊の民芸叢書第1篇『雑器の美』の「口絵(泥絵)解説」のようです。概念の外延は、大津絵、小絵馬、泥絵、ガラス絵、奈良絵、凧絵、羽子板絵、歌留多絵、看板絵に及び、内包としては、制作者が無名(非個性的、職人的、匿名的)である点、受容者が庶民(民衆的)である点、視覚表象そのものが実用的/世俗的/定型的/下手である点に特徴が求められています。この「民画」という概念の創出が、当時もっていた思想的な意義、そして、現在におけるアクチュアリティーについて、韓国/朝鮮の민화(MINHWA/民画)と大津絵を手がかりとして議論すること。これが、本シンポジウムの目的です。

プログラム
  • 13:00-13:15:趣旨説明
  • 13:15-14:15:「민화(MINHWA)の展開様相と絵画史的意義」
    • 鄭炳模(慶州大学教授)
    • 通訳・朴美蓮(同志社大学大学院)
  • 14:30-15:00:朝鮮美術から〈民画〉を考える」
    • 片山真理子(高麗美術館研究員)
  • 15:00-15-30:「柳宗悦の工藝理論における〈民画〉の位置づけ――大津絵を事例として」
  • 15:30-16:00:「図案・模様・民画――〈近代絵画〉から疎外されたもの」
  • 16:15-17:15:討論
関連展覧会

麗美術館(京都市北区紫竹上岸町15番地、地下鉄北大路駅下車、市バス37番「加茂川中学前」下車)で「コレクション名品展?――朝鮮の絵画と仏教美術」が開かれています。開館時間は10:00-17:00です。

展覧会「Kimono Beauty ―シックでモダンな装いの美 江戸から昭和―」のお知らせ

以下の展覧会のお知らせをいただきました。

Kimono Beauty ―シックでモダンな装いの美 江戸から昭和―

  • 会場:島根県立石見美術館
  • 会期:2013年7月13日〜8月26日

ボストン美術館 ビゲロー・コレクションのきものが初里帰り
きものは、日本独自の伝統文化として発展し、女性の美しさに彩りを与えてきました。近年では、美術品として、またファッションの世界においても注目され、あらためて高い評価を得ています。
本展覧会は、江戸時代中期から昭和初期に至るきものを中心に、女性の美をともに支えた帯や髪飾りなどの装身具、また当時の風俗をいきいきと描いた絵画作品を合わせて展示し、きものの美と、その装いに対する日本女性の細やかな美意識を検証しようとするものです。
展示品には、ボストン美術館の所蔵品の中から、明治期に来日し、日本文化を心から愛したアメリカ人医師ウィリアム・ビゲローの収集品を加え、外国人の目を通したきものへの評価にも着目しながら、世界に誇るきもの文化の魅力を探ります。

展覧会「藤田嗣治 本のしごと 日本での装幀を中心に」のお知らせ。

以下の展覧会案内をいただきました。

藤田嗣治 本のしごと 日本での装幀を中心に

千代田区立日比谷図書文化館では、世界的な画家、藤田嗣治がフランスと日本で、とくに日本において手がけた挿画本や装幀、さらに雑誌の表紙画など多岐ににわたる「本のしごと」を中心に紹介する展覧会を開催します。日本での装幀の仕事が一堂に会す初の展覧会です。
1913年にパリに渡った藤田嗣治(1886-1968年)は、パリ画壇でのゆるぎない地位を確立すると同時に、挿画本興隆の時代のなかで精力的に挿画本の制作に取り組みました。その後1933年から日本に定住した藤田は1949年に日本を離れるまでの間、文学者、詩人、文化人たちと協働し、挿画本の仕事を続けました。 本展ではその1920年代から40年代まで、藤田にとって二つの祖国ともいえるフランスと日本において、とくに日本で藤田が手がけた「本のしごと」を中心に紹介します。
また、1937年から44年までを過ごした麹町区六番町(現千代田区六番町)のアトリエでの暮らしにもスポットをあて、写真家土門拳が撮影した当時の貴重な記録も紹介する予定です。一冊の「本」という空間のなかに、油彩画に表現されているのと同じ、あるいはそれ以上に凝縮された藤田の才能と世界観を明らかにします。


展覧会「「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展−大正〜昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち−」のお知らせ。

以下の展覧会案内をいただきました。

「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展−大正〜昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち−

明治末から、大正、昭和初期にかけて日本の文学に登場した「魔性(ましょう)の女」を、当時のイラストレーションによって紹介します。
泉鏡花高野聖」の女、谷崎潤一郎痴人の愛」のナオミ、江戸川乱歩「黒蜥蜴」(くろとかげ)の緑川夫人など、官能的な魅力によって男性を支配し、ついには破滅させる、あるいは美の追求のためなら殺人をも厭(いと)わないという「怖い魅力」を秘めたヒロインに、我々は強く惹きつけられます。時には、優しく善良なヒロインよりも強烈な魅力を感じさせられることもあるでしょう。
現在では目にする機会の少ない、彼女たちの当時の絵姿を、ストーリーとともに紹介し、耽美・幻想の文学世界を楽しんでいただきます。

展覧会「知られざるプライベートコレクション ジャパン・ビューティー―描かれた日本美人―」のお知らせ。

以下の展覧会案内をいただきました。

知られざるプライベートコレクション ジャパン・ビューティー―描かれた日本美人―

美人、すなわち美しい女性を描くことは、日本美術の長い歴史における重要なテーマの一つです。 このジャンルで活躍した近代の日本画家たちは、技法や形式において伝統を継承しながらも革新的な表現を模索し、多様な人物表現を試みました。
明治、大正、昭和初期に絶大な人気を博した「美人画」に注目し、三大巨匠と謳われる上村松園鏑木清方伊東深水の作品をはじめとする約80点を、前期・後期に分けて展観します。
日本の四季、風俗、歴史、文学に着想を得た女性表現の多様性と、その姿に託された理想美をお楽しみください。

※本展は、今年度秋に、川越市立美術館(埼玉県)に巡回予定とのことです。

展覧会「日本のポスター芸術ー明治・大正・昭和の女性たちー」(平田本陣記念館)のお知らせ。

以下の展覧会案内をいただきました。

日本のポスター芸術ー明治・大正・昭和の女性たちー

日本でポスターが作られはじめた明治期から、女性の姿をあしらった美人画ポスターは、日常の風景に華を添えてきました。美しい衣装を身につけた人気の女優や令嬢がモデルとして起用されたものや、中には著名な画家が原画を手がけたものもあり、当時の人々の関心の高さがうかがえます。高度な印刷技術で色彩豊かに刷り上げられたポスターは、単に広告としての役目を果たすだけでなく、芸術作品として鑑賞され、蒐集される対象でもありました。
本展は飲料メーカーのポスターを中心に、500点を超える作品を所蔵するサカツコーポレーション(本社名古屋市)のコレクションの中から、精選した50点を公開する中国地方初の展覧会です。大広告主として存在した飲料メーカーのポスターには、女性が主題となっているものが多く、そこには憧れの女性像や当時の流行、社会情勢をも読み取ることができます。今では制作元企業にもない作品や現存していないメーカーのポスターなども含まれる、ポスター芸術をご堪能下さい。